会社法の見直し(中間試案公表 — 株主総会・株式・企業統治)

施行日:中間試案公表(2026年3月)・法案提出は2027年見込み

国会審議 → 施行までの進み方

  1. 1 国会審議
  2. 2 成立
  3. 3 公布
  4. 4 施行 時期未定

まだ国会で審議中の段階です。内容は変わる可能性があります。

30秒でわかる:この改正のポイント

いつから 中間試案公表(2026年3月)・法案提出は2027年見込み
誰が対象 株式会社(特に上場企業の法務・総務・IR)
何が変わる 会社法本体にバーチャルオンリー総会の規定を新設する案 / 実質株主確認制度を新設する案 ほか2項目
今やること 中間試案の3本柱(株式・総会・統治)を把握し、自社への影響を洗い出す(ほか3件は下のチェックリスト参照)

かんたん要約

  • 「稼ぐ力」の強化に向けた会社法の見直しで、2026年3月18日に法制審議会の中間試案が取りまとめられました。
  • ①株式発行の見直し(無償交付・株式交付制度の拡大)、②株主総会の見直し(バーチャルオンリー総会の法制化・実質株主確認制度)、③企業統治の見直し(開示の合理化等)の3本柱です。
  • パブリックコメント(4月2日〜5月22日)は終了し、早ければ2027年初めに要綱案がまとまり、改正法案が国会に提出される見通しです。

対象となる人・企業

株式会社(特に上場企業の法務・総務・IR)

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

バーチャルオンリー株主総会は産業競争力強化法の特例に依存

改正後(これから)

会社法本体にバーチャルオンリー総会の規定を新設する案

改正前(これまで)

実質株主(名義株主の背後の投資家)を確認する法的な制度はない

改正後(これから)

実質株主確認制度を新設する案

改正前(これまで)

使用人等への株式無償交付の手続が限定的

改正後(これから)

リストリクテッド・ストック等の無償交付手続を整備する案

改正前(これまで)

事業報告と有価証券報告書は別々に作成・開示

改正後(これから)

重複する開示の一体化を検討する案

※ 中間試案は確定した改正案ではありません。パブリックコメントの結果や今後の審議を経て内容が変わる可能性があります。最新情報は法務省・法制審議会でご確認ください。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 令和7年(2025年)4月 法制審議会 会社法制(株式・株主総会等関係)部会で審議開始
  • 令和8年(2026年)3月18日 中間試案を取りまとめ
  • 令和8年(2026年)4月2日〜5月22日 パブリックコメントによる意見募集(終了)
  • 2027年初め(見込み) 要綱案の取りまとめ → 改正法案を国会に提出
  • 施行日は未定 法案成立後、政令で定める日から施行

中間試案の流れ

2026年3月 中間試案を取りまとめ

4〜5月 パブコメ実施(終了)

2027年初め 要綱案 → 法案提出の見込み

制度の全体像

「稼ぐ力」の強化に向けて、会社法の見直しが法制審議会で議論されています。2026年3月に中間試案が取りまとめられ、①株式発行の見直し、②株主総会の見直し、③企業統治の見直しの3本柱で具体的な改正案が示されました。

①株式発行の見直し

使用人等に対する株式の無償交付(リストリクテッド・ストック等)の手続整備、株式交付制度の適用対象の拡大(部分的な株式取得にも利用可能に)、現物出資制度の見直しが検討されています。スタートアップや事業再編でより柔軟に株式を活用できるようにする方向です。

②株主総会の見直し

バーチャルオンリー株主総会を会社法に明記する案(現在は産業競争力強化法の特例に依存)、実質株主(名義株主の背後にいる投資家)の確認制度の新設、株主総会の招集通知・議決権行使のデジタル化、株主提案権の見直しが検討されています。

③企業統治の見直し

指名委員会等設置会社制度の利用促進策、責任限定契約制度(社外取締役等の賠償責任の上限設定)の見直し、事業報告と有価証券報告書の開示の合理化(重複する開示の一体化)が検討されています。

注意点

中間試案は確定した改正案ではなく、パブリックコメントの結果や今後の部会審議を経て内容が変わる可能性があります。早ければ2027年初めに要綱案が取りまとめられ、改正法案が国会に提出される見通しです。

実務上のポイント

①バーチャル総会を実施している企業は、会社法への移行を見据えた運用の点検②実質株主確認制度の導入に備え、名義株主管理の現状整理③株式無償交付を活用した報酬制度の検討④事業報告と有報の一体開示に向けた体制の確認。中間試案の段階のため、自社への影響範囲の洗い出しと動向のフォローが中心です。

審議の根拠となった諮問の内容

この見直しは、法制審議会への「諮問第127号」にもとづいて進められています。諮問の内容は「近年における社会経済情勢の変化等に鑑み、株式の発行の在り方、株主総会の在り方、企業統治の在り方等に関する規律の見直しの要否を検討の上、当該規律の見直しを要する場合にはその要綱を示されたい。」というもので、株式・株主総会・企業統治の3つが正式な検討の柱として位置づけられています。

審議は「中間試案」の段階まで進んでいます

審議は「会社法制(株式・株主総会等関係)部会」で行われており、第1回会議は令和7年4月23日(2025年4月23日)に開催されました。その後審議が重ねられ、令和8年3月18日(2026年3月18日)の第12回会議で「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」が取りまとめられています。なお部会の会議は第14回(令和8年5月27日開催)まで続いており、審議は引き続き進行中です。

中間試案へのパブリックコメントは2026年5月に締め切られました

中間試案については意見公募手続(パブリックコメント)が実施され、その期間は令和8年5月22日(2026年5月22日・金)までとされていました。事業者として今後の動向を追う場合は、寄せられた意見をふまえた部会での議論や、その後の要綱の取りまとめが次の節目になります。現時点で具体的な改正内容や施行日は確定していないため、引き続き法務省・法制審議会の公表情報を確認することが実務上の対応となります。

会社法見直しの審議スケジュール(公表ベース)

2025年4月23日 部会 第1回会議

諮問第127号にもとづき審議開始

2026年3月18日 中間試案を取りまとめ

第12回会議

〜2026年5月22日 パブリックコメント実施

中間試案への意見公募(締切)

2026年5月27日時点 審議継続中(第14回まで開催)

改正内容・施行日は未確定

出典: 法務省 法制審議会 会社法制(株式・株主総会等関係)部会

記事公開時点と最新の審議状況

記事の記述(審議開始段階)

  • 株式・株主総会・企業統治の見直しを部会で議論中
  • 2025年4月から部会で審議が始まった段階

公式公表ベースの最新状況

  • 諮問第127号にもとづき審議(第1回 2025年4月23日)
  • 2026年3月18日に中間試案を取りまとめ
  • 中間試案のパブコメは2026年5月22日に締切
  • 改正内容・施行日は依然として未確定

中間試案の3本柱と主な検討項目

主な検討項目想定される影響
①株式発行使用人等への無償交付・株式交付制度の拡大・現物出資の見直し報酬制度・事業再編の柔軟化
②株主総会バーチャルオンリー総会の法制化・実質株主確認・デジタル化・提案権総会運営の変革
③企業統治指名委員会等設置会社・責任限定契約・事業報告と有報の一体化ガバナンス体制・開示実務

経過措置・猶予

2026年3月18日に中間試案が取りまとめられ、4月2日〜5月22日にパブリックコメントが実施されました。早ければ2027年初めに要綱案が取りまとめられ、改正法案が国会に提出される見通しです。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 4 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

いつから対応が必要?
2026年3月に中間試案が公表され、パブリックコメントが終了した段階です。早ければ2027年初めに要綱案がまとまり、改正法案が国会に提出される見通しです。現時点では中間試案の内容を把握し、自社への影響範囲を洗い出しておくことが有用です。
バーチャル総会はもう開ける?
現在は産業競争力強化法の特例(2021年施行)のもとで実施可能ですが、会社法本体への規定がありません。中間試案では会社法に直接規定を設けることが提案されており、実現すれば特例に依存しない安定的な運用が可能になります。
会社法の見直し(中間試案公表 — 株主総会・株式・企業統治)はいつから施行されますか?
中間試案公表(2026年3月)・法案提出は2027年見込みです。
対象になるのはどんな人・企業ですか?
株式会社(特に上場企業の法務・総務・IR)が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「バーチャルオンリー株主総会は産業競争力強化法の特例に依存」だったものが、「会社法本体にバーチャルオンリー総会の規定を新設する案」に変わります。 これまで「実質株主(名義株主の背後の投資家)を確認する法的な制度はない」だったものが、「実質株主確認制度を新設する案」に変わります。 これまで「使用人等への株式無償交付の手続が限定的」だったものが、「リストリクテッド・ストック等の無償交付手続を整備する案」に変わります。 これまで「事業報告と有価証券報告書は別々に作成・開示」だったものが、「重複する開示の一体化を検討する案」に変わります。
注意しておくことはありますか?
中間試案は確定した改正案ではありません。パブリックコメントの結果や今後の審議を経て内容が変わる可能性があります。最新情報は法務省・法制審議会でご確認ください。
法令の原文はどこで確認できますか?
会社法の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年6月25日